夏目漱石『夢十夜』を形態素解析とマルコフ連鎖で再構成するスクリプトです。リロードするたび文章は変わります。


第55夜


こんな夢を見た。

襖の画は蕪村の筆である。大将は太い剣をかちゃりと鞘に収めた。

腕組をして、肩に掛けた箱の口を開けて、手拭の首を、ちょいと撮んで、ぽっと放り込んだ。

しかし運慶の方では不思議とも奇体ともとんと感じ得ない様子で一生懸命に彫っている。馬は前足の蹄を堅い岩の上に発矢と刻み込んだ。

蹄の跡はいまだに岩の上に残っている。馬は蹄の音が宙で鳴るほど早く飛んで来る。それでも女は細い足でしきりなしに馬の腹を蹴っている。

何でもよほど古い事で、神代に近い昔と思われるが、自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来てしばらく挂っているかと思うと、いつの間にか大きな船を追い越して、先へ行って見たら、水夫が大勢寄って、太い帆綱を手繰っていた。