夏目漱石『夢十夜』を形態素解析とマルコフ連鎖で再構成するスクリプトです。リロードするたび文章は変わります。
第2570夜
こんな夢を見た。
短刀にかけた箱の口を開けて、手拭の首を、ちょいと撮んで、ぽっと放り込んだ。
広い土間の真中に置いた。それから帳場格子が斜に見えた。それから手拭の周囲に、大きな丸い輪を描いた。しまいに肩にかけた。
運慶が生きている訳には行かない。草の上で草鞋を穿いていた。足には大きな藁沓を組み合わしたまま、草の上で女を待っていると云って無はちっとも現前しない。
ところをもって見ると、自分より先にもう大勢集まって、殺気を一点に籠めている。表には左り日ケ窪、右堀田原とある。
運慶の方では不思議とも奇体ともとんと感じ得ない様子で一生懸命に彫っている。焚き残した線香が暗い方でいまだに臭っている。